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2013-06-24 ちはやふる21巻。「猪熊ママ。柔よく業を制す」 [2次元@ちはやふる]


ちはやふる(21) (ちはやふる (21))

ちはやふる(21) (ちはやふる (21))

  • 作者: 末次 由紀
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/06/13
  • メディア: コミック

超常的な「感じ」で相手を絶望させる現名人の周防久志。全方位の「速さと正確さ」で相手を圧倒する現クイーンの若宮詩暢。その二人の天才に向かって「俺が/私が」と手を挙げるのは誰か?勢いのある若き才能か、あるいは経験豊富なベテラン勢か。名人戦・クイーン戦の挑戦権を得るために東西の予選会場にて鎬を削るA級選手たち。競技かるたに魅了され、その頂点を目指す老若男女の「執念」「業」といったドロドロとしたモノにスポットが当てられた今回の21巻。それはまるで将棋系や麻雀系の勝負師列伝のような様相を呈しており、「熱さ」と「爽やかさ」が信条だったこれまでの青春系スポ魂マンガとしての「ちはやふる」とは違う趣きがあり大変興味深く読めました。

というわけで今回は21巻で印象に残った原田先生、猪熊ママの二人について語りたいと想います。新については別途エントリー予定。

■原田先生。『勝負師の執念』
21巻の表紙を飾ったのは原田先生でした。18巻の表紙にて神セブンならぬ、先生セブンの一人として登場した原田先生。少女マンガとしての体裁を整えるためか、紅一点である桜沢先生にメインの位置を譲った形での表紙デビューでしたが、今回の21巻では堂々ソロでの大抜擢です。水中で険しい眼差しで大きく口を開ける原田先生。そのご尊顔はまるで「大長編ドラえもん、のび太の海底鬼岩城」に登場したポセイドンを彷彿させ、思わずバギーで特攻したくなる迫力に満ちていました。知的な熊という原田先生をイメージしてのデザインかもしれませんが、漂う魚の群れとのアンマッチ加減が笑えます。

若者たちを指導する立場でありながら、一兵卒として名人位を目指す原田先生。というよりも、自分が名人になるために、若者を指導していたという原田先生。かるた暦45年。攻めがるたの権化。勝つためなら「もめるのもアリ」「大声で威嚇するのもアリ」と手段を選ばない勝負師。その潔いまでの「勝ち」へのこだわりがカッコイイです。苦境に立たされた千早や太一の背後に「生き霊」のように現れては勇気づけたり、数々の名言で彼女達を支え励ましてきましたが、今回はサポート役ではなく主人公として物語の中心に立ちました。東日本予選優勝という結果は、どんな手段を使っても「名人になる」という「執念」がこじあけた道でした。持病の膝の痛みと「仲良く」付き合いながら、よくがんばった。感動した!by某元首相。

それにしても海千山千の強者たちを退け勝ち上がってく原田先生の鬼気迫る姿と、勝利した時の「ドヤ顔」の対比は「ちはやふる」史上でも屈指のインパクトがありました。また運命戦は運命じゃないと太一に投げかけた笑みは「ぽっと出」の新キャラに敗れた傷心の太一を励ます最高の贈り物になりました。己が勝利も大事ですが、同時に弟子の成長にも気を配る男、原田先生。千早が惚れるのも頷けます。(マテ)それにしても本業の小児科医院の経営は大丈夫なのでしょうか。数々の描写を見るにまともに仕事しているようには見えませんが・・・。

■猪熊ママの業。「ねえ、それ子供より大事なこと?」
天才肌の元クイーン、猪熊ママ。今回大化けしたキャラです。「感じの良さ」では千早、理音と被り、「眼鏡の強キャラ」としては恵夢と被り、「元クイーン」という肩書きは山本さんと被り、また「人妻キャラ」は大江奏のママと被り、浮世離れした雰囲気は若宮詩暢と被る。吉野大会で初登場した彼女はあらゆるパラメータが既存のキャラと被るという不遇な存在でした。結果、元クイーンの凄味と実力の片鱗を見せたものの、千早の前では当て馬と化して破れ去ってしまいました。既存キャラと被りすぎて扱いづらい存在。「才能が衰える」というベテラン選手の悲哀を象徴するキャラとして存在価値はあるものの、没個性過ぎて、すぐに埋没していくのではないかと思いました。

しかし、そんな彼女でしたが、たった一番面ですべてを覆しました。

東日本予選を優勝し、元ライバルの桜沢先生のいる富士崎高校で練習に励む猪熊ママ。その帰宅時の描写によって彼女は強烈なインパクトを残しました。ちはやふる系のファンブログとしてなかなか言及が難しいところですが、変態紳士としてやはり声を大にして言いたい。これほど個性的なキャラが「ちはやふる」にいたのだろうか。否である。たった一場面で「超個性化」した猪熊ママ。既存キャラと被りすぎ?いや、彼女こそオンリーワン。最初にして最後の、そして最強のキャラと断言したい。

彼女が一躍超個性化した問題の描写とは、そう搾乳シーンです。

「ちはやふる」のみならず、これまで読んできたマンガの中で、「搾乳シーン」を目にしたのは今回が初めてです。授乳シーンよりも遙かに強烈なインパクトでした。「ちはやふる」やるな。140Pから142Pにかけての一連の描写はマンガ史に燦然と輝く名シーンとして語り継がれる価値があります。無論倒錯したエロイ感情からではなく、乳幼児との時間を投げ打ってまで、クイーンになりたいという「貪欲なまでの我」。その業とも言える我欲と母親としての本能に自ら揺れ動く心理を痛々しいまでに描写した場面に心震えたからです。生物としての本能と、人間としての本質の葛藤が垣間見え、哲学的すらありました。

さらには挑戦者決定戦でのシーン。「涙溢れる猫目」と「やわらかくて、いいおっぱい」という組み合わせもまたマーベラスの一言でした。もうこの時点で私の中の猪熊ママは太一に次ぐ萌えキャラに昇格しました。柔らかいおっぱいで、母親として、さらには女王の復権をかけて戦いに挑む猪熊ママ。柔さかの中に我欲を内包させたその姿は神々しくすらありました。まさに柔よく業(剛)を制す。心の中で彼女は猪熊六段どころかYAWARAの祖父と同じく十段にランクアップ致しましました。(意味不明ですみません)

・・・・・さて。
前巻、東日本側の予選で三回戦まで駒を進めた我らが主人公、真島太一はどうなったのでしょうか?「自分じゃなくなりたい・・・でも自分になりたい」とカッコイイ事言っていましたが、その結果は・・・・。まあ、うん。太一らしいと思うよ。かなり気負っていたしね。

おまけ
ちはやふる2のBD買いました。14000円前後で4巻入ってのこの値段。設定資料集やコメンテタリーも入っていて大変お得です。しかし、残念ながらTV放映時から画像の修正などはしていない様子で、ところどころ狂ったデッサンはそのまま。作画の面に関しては一期ほどの感動はありません。とはいえ、いつでも「ちはやふる2]が観賞できるという安心感は捨てがたいので、ファンなら買っておくのがよいでしょう(アフェです)







ちはやふる2 Blu-ray BOX 上巻

ちはやふる2 Blu-ray BOX 上巻

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2013/05/21
  • メディア: Blu-ray


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