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2013-06-29 ちはやふる2最終回の感想&近江神宮に行ってきた。 [2次元@ちはやふる]


2クールという長丁場を締めくくる最終回にも関わらず、なんとも尻切れ蜻蛉な終わり方になってしまった「ちはやふる2」。読手さんが上の句だけ読んで、下の句を読まずに遁走してしまったかのようです。原作を未読の方は続きが気になって仕方がないのではないでしょうか。高校選手権編だけでは終わらず、千早の「手術&問題独白」エピソードまで触れてしまった為、アニメの最終回としての適正な「落としどころ」を見つけられず、微妙な感じになってしまったのは残念なところ。

つーか、富士崎高校合宿まで触れるなら、吉野会大会までやりなさい。ここで終わったら太一の立つ瀬がないでしょうが(結局そこか)

千早の発した「よくわからない。よくわからない気持ち。でも私は一生、かるたが好きで、新が好きなんだ」という独白は、原作では言わば恋愛的不確定性原理における観測問題のようなもので、各分野の学者様によって解釈が違うのです。

しかし、いつになるか分からない第三期シーズンまでこの千早の独白と印象がアニメ視聴者の心の中で残り続けたらどうなることやら。下手すれば「千早は新が(恋愛的意味で好きだ」ということが確定してしまう恐れがあります。これは量子物理学的にも、太一ファンとしても由々しき事態。

原作基準でアニメ第一期が1巻1~9巻の49首まで、第二期が9巻50首から93首でした。2013年6月現在、最新コミックスが21巻113首・・・。2クールのアニメに必要な話数として最低40話前後を見積もっても次期シーズンまでまだ20首(1年分)足りない。そこからアニメ制作が開始されたとしたら2014年の秋アニメに間に合うのか。焦るオレ。

あと、焦りだけではなく不安もあります。それは最終回のエンドカード。第一シーズン最終回のエンドカードは次期シーズンの予感させる瑞沢高校の筑波君と菫嬢のコンビでしたが、今回は何故か富士崎高校の新部長、日向良彦君でした。原作コミックスの人物紹介欄に一度も紹介されていないマイナーキャラをエンドカードに抜擢・・・。アニメスタッフの隠れたメッセージを感じます。次期アニメ化は微妙。そう聞こえて来るようではありませんか。

これはマズイ。なんとかしなければ。というわけで?次期アニメができるだけ早く観られるようにと、百人一首の聖地、滋賀県にある近江神宮に参拝してきました。

朝9:00に愛車ZX-14Rに飛び乗り、東名高速道路の横浜青葉ICから一路滋賀県にある近江神宮へ。

大きな地図で見る

13:40頃に到着。休息したSAは1カ所だけの強行軍でしたが、4時間40分もかかった。マジ遠い。マジ疲れた。

しかし、新曰わく「真っ赤やよ」という近江神宮の楼門を観た瞬間疲れが吹っ飛びました。おおー、アニメの世界が現実にイイイィイイ(病気)






印象的な楼門前の石段。新の背後に忍びよるクイーン若宮詩暢の場面を思い出します。神社に訪れる人は少なく、残念ながらセーラー服姿の美少女はいませんでした。


拝殿。千早とクイーンがすれ違ったところ。撮影後に次期アニメ化のため祈願しました。



瑞沢高校メンバーが参拝した外拝殿。静謐で神々しい雰囲気があります。



かるたの聖地だけあって百人一首が額縁で飾られていました。




近江神宮といえば大化の改新で有名な中大兄皇子こと天智天皇をおまつりする神宮。「秋の田のかりほの庵のとまをあらみわが衣手は露にぬれつつ」という歌で百人一首の巻頭を飾った縁でこの神宮が百人一首と競技かるたの聖地になりました。



ちはやふるとのコラボ。といっても関連がありそうだったのはこれだけ。


近江神宮前の踏切で「ちはやふる」ラッピング電車を激写。




今回、近江神宮での「ちはやふる3」祈願のみを目的としていた為、他に観光はしませんでした。帰りは琵琶湖大橋から栗東IC経由で高速に乗り、ひたすら家路へと急ぐ。家に到着したのは21:25。走行距離960KMでした。

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2013-06-24 ちはやふる21巻。「猪熊ママ。柔よく業を制す」 [2次元@ちはやふる]


ちはやふる(21) (ちはやふる (21))

ちはやふる(21) (ちはやふる (21))

  • 作者: 末次 由紀
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/06/13
  • メディア: コミック

超常的な「感じ」で相手を絶望させる現名人の周防久志。全方位の「速さと正確さ」で相手を圧倒する現クイーンの若宮詩暢。その二人の天才に向かって「俺が/私が」と手を挙げるのは誰か?勢いのある若き才能か、あるいは経験豊富なベテラン勢か。名人戦・クイーン戦の挑戦権を得るために東西の予選会場にて鎬を削るA級選手たち。競技かるたに魅了され、その頂点を目指す老若男女の「執念」「業」といったドロドロとしたモノにスポットが当てられた今回の21巻。それはまるで将棋系や麻雀系の勝負師列伝のような様相を呈しており、「熱さ」と「爽やかさ」が信条だったこれまでの青春系スポ魂マンガとしての「ちはやふる」とは違う趣きがあり大変興味深く読めました。

というわけで今回は21巻で印象に残った原田先生、猪熊ママの二人について語りたいと想います。新については別途エントリー予定。

■原田先生。『勝負師の執念』
21巻の表紙を飾ったのは原田先生でした。18巻の表紙にて神セブンならぬ、先生セブンの一人として登場した原田先生。少女マンガとしての体裁を整えるためか、紅一点である桜沢先生にメインの位置を譲った形での表紙デビューでしたが、今回の21巻では堂々ソロでの大抜擢です。水中で険しい眼差しで大きく口を開ける原田先生。そのご尊顔はまるで「大長編ドラえもん、のび太の海底鬼岩城」に登場したポセイドンを彷彿させ、思わずバギーで特攻したくなる迫力に満ちていました。知的な熊という原田先生をイメージしてのデザインかもしれませんが、漂う魚の群れとのアンマッチ加減が笑えます。

若者たちを指導する立場でありながら、一兵卒として名人位を目指す原田先生。というよりも、自分が名人になるために、若者を指導していたという原田先生。かるた暦45年。攻めがるたの権化。勝つためなら「もめるのもアリ」「大声で威嚇するのもアリ」と手段を選ばない勝負師。その潔いまでの「勝ち」へのこだわりがカッコイイです。苦境に立たされた千早や太一の背後に「生き霊」のように現れては勇気づけたり、数々の名言で彼女達を支え励ましてきましたが、今回はサポート役ではなく主人公として物語の中心に立ちました。東日本予選優勝という結果は、どんな手段を使っても「名人になる」という「執念」がこじあけた道でした。持病の膝の痛みと「仲良く」付き合いながら、よくがんばった。感動した!by某元首相。

それにしても海千山千の強者たちを退け勝ち上がってく原田先生の鬼気迫る姿と、勝利した時の「ドヤ顔」の対比は「ちはやふる」史上でも屈指のインパクトがありました。また運命戦は運命じゃないと太一に投げかけた笑みは「ぽっと出」の新キャラに敗れた傷心の太一を励ます最高の贈り物になりました。己が勝利も大事ですが、同時に弟子の成長にも気を配る男、原田先生。千早が惚れるのも頷けます。(マテ)それにしても本業の小児科医院の経営は大丈夫なのでしょうか。数々の描写を見るにまともに仕事しているようには見えませんが・・・。

■猪熊ママの業。「ねえ、それ子供より大事なこと?」
天才肌の元クイーン、猪熊ママ。今回大化けしたキャラです。「感じの良さ」では千早、理音と被り、「眼鏡の強キャラ」としては恵夢と被り、「元クイーン」という肩書きは山本さんと被り、また「人妻キャラ」は大江奏のママと被り、浮世離れした雰囲気は若宮詩暢と被る。吉野大会で初登場した彼女はあらゆるパラメータが既存のキャラと被るという不遇な存在でした。結果、元クイーンの凄味と実力の片鱗を見せたものの、千早の前では当て馬と化して破れ去ってしまいました。既存キャラと被りすぎて扱いづらい存在。「才能が衰える」というベテラン選手の悲哀を象徴するキャラとして存在価値はあるものの、没個性過ぎて、すぐに埋没していくのではないかと思いました。

しかし、そんな彼女でしたが、たった一番面ですべてを覆しました。

東日本予選を優勝し、元ライバルの桜沢先生のいる富士崎高校で練習に励む猪熊ママ。その帰宅時の描写によって彼女は強烈なインパクトを残しました。ちはやふる系のファンブログとしてなかなか言及が難しいところですが、変態紳士としてやはり声を大にして言いたい。これほど個性的なキャラが「ちはやふる」にいたのだろうか。否である。たった一場面で「超個性化」した猪熊ママ。既存キャラと被りすぎ?いや、彼女こそオンリーワン。最初にして最後の、そして最強のキャラと断言したい。

彼女が一躍超個性化した問題の描写とは、そう搾乳シーンです。

「ちはやふる」のみならず、これまで読んできたマンガの中で、「搾乳シーン」を目にしたのは今回が初めてです。授乳シーンよりも遙かに強烈なインパクトでした。「ちはやふる」やるな。140Pから142Pにかけての一連の描写はマンガ史に燦然と輝く名シーンとして語り継がれる価値があります。無論倒錯したエロイ感情からではなく、乳幼児との時間を投げ打ってまで、クイーンになりたいという「貪欲なまでの我」。その業とも言える我欲と母親としての本能に自ら揺れ動く心理を痛々しいまでに描写した場面に心震えたからです。生物としての本能と、人間としての本質の葛藤が垣間見え、哲学的すらありました。

さらには挑戦者決定戦でのシーン。「涙溢れる猫目」と「やわらかくて、いいおっぱい」という組み合わせもまたマーベラスの一言でした。もうこの時点で私の中の猪熊ママは太一に次ぐ萌えキャラに昇格しました。柔らかいおっぱいで、母親として、さらには女王の復権をかけて戦いに挑む猪熊ママ。柔さかの中に我欲を内包させたその姿は神々しくすらありました。まさに柔よく業(剛)を制す。心の中で彼女は猪熊六段どころかYAWARAの祖父と同じく十段にランクアップ致しましました。(意味不明ですみません)

・・・・・さて。
前巻、東日本側の予選で三回戦まで駒を進めた我らが主人公、真島太一はどうなったのでしょうか?「自分じゃなくなりたい・・・でも自分になりたい」とカッコイイ事言っていましたが、その結果は・・・・。まあ、うん。太一らしいと思うよ。かなり気負っていたしね。

おまけ
ちはやふる2のBD買いました。14000円前後で4巻入ってのこの値段。設定資料集やコメンテタリーも入っていて大変お得です。しかし、残念ながらTV放映時から画像の修正などはしていない様子で、ところどころ狂ったデッサンはそのまま。作画の面に関しては一期ほどの感動はありません。とはいえ、いつでも「ちはやふる2]が観賞できるという安心感は捨てがたいので、ファンなら買っておくのがよいでしょう(アフェです)







ちはやふる2 Blu-ray BOX 上巻

ちはやふる2 Blu-ray BOX 上巻

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2013/05/21
  • メディア: Blu-ray


2013-03-17 ちはやふる20巻。「じゃぁ、いつ名人を倒すの?・・・今でしょ!」 [2次元@ちはやふる]

本日は「ちはやふる」20巻の感想でも。ネタバレ全開のため未読の方はページを閉じてくださいね。
ちはやふる(20) (BE LOVE KC)

ちはやふる(20) (BE LOVE KC)

  • 作者: 末次 由紀
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/03/13
  • メディア: コミック

ついに20巻に到達した「ちはやふる」。今回は要約すると、「千早VS太一の吉野大会編」、「修学旅行編&名人・クィーン戦の東西予選編」(勝手に命名)という二つのお話で構成されていました。というわけで感想も大きく二つに分けてみます。

■まずは「千早VS太一の吉野大会編」の感想から。
前巻の終盤、吉野大会決勝で相まみえた千早と太一。「襷」というアイテムでお互いの「絆」を再確認。そして真剣勝負が開始。変則的な札の並びで千早を翻弄する太一。前クィーンを下し「感じ」の良さと「取り札の洗練さ」に磨きがかかってきた千早。高校生になってから初の公式戦で対決した二人の試合は、かなちゃんにして『今日のこの試合が一番強い二人だと思いませんか』と言わしめるほど白熱した戦いでした。その戦いっぷりは本当に濃密でした。1コマ、1コマのシーンで「うむむ」と唸り、ページをめくっては「おお」と感嘆の声を漏らすといった感じ。良質な小説には行間に読者を引き込む力が宿っていますが、良質なコミックスも同様なんですね。コマ間やページ間に凄ましい引力がありました。

さて、この「千早VS太一の吉野大会編」の見所は一度劣勢に立たされた千早が立ち直る場面にありました。千早の弱点は試合に集中するあまり周囲だけではなく自分自身も見失ってしまうこと。これまでもそんな性質で窮地を招いてきました。しかし、今回はそれに自ら気がついた。千早は目線を上げて、太一をその視界に捉えます。そして内心で呟く。『太一なのに、知らない人みたいだ。でも太一だ。一緒にがんばってきてくれた男の子だ』。敵陣に座っていても自陣として存在する太一。そして一番近くにいる「男子」という事実に気がつく千早。

いやっほーい。太一派である私の解釈は言わずもがな。フラグが立ったー、フラグが立ったよー(ハイジ風)と歓喜しました。

千早の土俵に立つことでようやく千早の瞳に「自陣の男子」として収まった太一。がんばったかいがありましたねぇ。しかし、本当にスゴい男はそれだけで満足しない。「結果は石なんだ。がんばったを留めておく石なんだ」という原田先生の弁があるようにここから勝負どころと勝ちに行きます。選んでがんばっている太一には目に見える形での「結果」がどうしても欲しい。しかし、健闘も虚しく千早に敗れてしまいました。まあ、朴念仁の新が無意識に嫉妬するぐらいの名勝負を繰り広げられただけでも良しとしたい。そして千早を巡る太一と新の戦いが本格化してきたのがたまらない。「千早は別に誰の物でもないよな?」という新の言葉は明らかな宣戦布告でした。

■「修学旅行編&名人・クィーン戦の東西予選編」の感想。
主人公を高校生とした作品なら必ずと言ってよいほど登場する修学旅行イベント。場所は定番の京都です。風光明媚な古の都で「かるた」を離れた千早と太一がどのような一面を見せてくれるのか楽しみにしていました・・・が、そんな期待はあっさりと裏切られました。流石はガチのスポ魂マンガ「ちはやふる」。なんと修学旅行編は完全におまけ扱い。話のメインは太一と新が挑む名人・クィーン戦の東西予選でございました。

吉野大会でようやく千早と同じ土俵に立った太一。しかし「結果」は得られなかった。難関医学部を目指す彼にとってかるたに青春を賭ける時間はそう長くはない。かるたに青春の全てを賭けてこそ「自分自身」を、そして「千早」を得られると考えている太一。彼は修学旅行をサボってまで、名人・クィーン戦の東日本予選に挑みます。一方吉野大会での千早と太一の試合を観てから焦燥感に苛まれている新。「勝つイメージ」を失ったままの彼でしたが、「名人」になるべく西日本予選に参加します。主人公の千早をさし置いて始まった二人の男子の戦い。コミックスを持つ手にも力がこもります。

さて、「ちはやふる」において太一と新が挑む山の頂にいるのは天才周防名人です。超人的な感じの良さを持つ名人。一字決まりは27枚(28枚は間違いらしい)という化け物です。圧倒的な実力が故にライバルは不在。そんな周防名人はテンションを少しでも上げようと西日本予選に顔を出し新の試合を観戦します。綿谷永世名人を彷彿とさせる新の試合。「同世代には敵がいない」と周囲は感嘆の声を漏らします。しかし周防名人のテンションは上がりませんでした。

このあたりが20巻最大のポイントでしょうか。
新の弱点。それは祖父である綿谷名人の想いというか『呪縛』から逃れられないということ。つまりは「後ろ向き」なんですよね。性根では太一より真っ直ぐな新ですが、皮肉にも純粋な心根が故に、かるたに向ける想いは「歪んで」います。かるたに向ける執念が祖父の「借り物」である新。そこに気がつかない限り周防名人から脅威と見なされない。どころか、太一に足元を掬われる可能性もあります。千早や、太一への想いについても「東京でかるたを通じて出来た大切な友達」という過去に引きずられていてなかなか自分の本音に気がつきません。どこまでも「後ろ向き」な新。そこが浮き彫りになった20巻でした。(異論は認める)

太一は自分自身をよく理解した上で戦っています。「自分になるためにがんばっているんです」と菫嬢が言うように「卑怯」で「弱く」て「格好つけ」でなにより「余裕がない」彼ですが、それを認めた上で乗り越えようとしています。三つ子の魂百までということわざがあるように性格はなかなか変えられない。
でも人格は自分の努力次第で変えられる。
強い自分になって千早をゲットする。恋愛もカルタに向ける想いも「前向き」な太一。青春時代の「前向き」な想いは途方もないエネルギーを持っています。名人の天才を凌駕する力があっても不思議ではありません。つまりはこういう事↓


・・・スキャニングしてコミックスの画像を引用できない当ブログの場合、文字だけの味気ない構成になりがち。そんなわけで、いつもながら誰得な感じですが今回は今流行りの「東○ハイスクール」ネタでお茶を濁してみました。それにしても毎度毎度ちはやふるは内容が濃い。感想を書くにもどこに焦点をあてればよいのか悩みます。ここで書けなかった細々とした感想は別の機会(アニメ化)で書きたいなぁ。

オマケ:受験シーズンは終わってしまいましたが、「東○ハイスクール」に引っかけて超難問を出題。

・・・難問つーか、奇問ですね。作成した自分でも答えがわからないや。


2013-03-02 ちはやふる2 第二首~第八首の感想 [2次元@ちはやふる]


TVアニメ「ちはやふる2」オリジナル・サウンドトラック【CD2枚組】

TVアニメ「ちはやふる2」オリジナル・サウンドトラック【CD2枚組】

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2013/03/20
  • メディア: CD


筋骨隆々のマッチョキャラクターが血みどろのバトルを繰り広げる怪奇系冒険譚、「ジョジョの奇妙な冒険の第2部」。かたやスタイルのよい美形なキャラクターが競技カルタで勝負する文化系スポーツ青春物語、「ちはやふる2」。少年ジャンプ原作とBE・LOVE原作。対象年齢も性別も発表年代も違う両作品。一見すると共通点はなさそうではある。しかし、ジャンルや、キャクターの外見で見誤ってはいけない。「友情」、「努力」、「勝利」を基本とした構成。エピソードを出し惜しみしない展開の速さ。印象に残る名台詞の数々。そして丁寧な心理描写の多用。両作品には実に多くの共通点がある。なによりも、その根底に流れる熱さが共通している。ゴツゴツした岩肌のような、「ジョジョの奇妙な冒険の第2部」と、白く美しい雪化粧の岩肌のような「ちはやふる2」。両作品は例えるならば同じマグマによって隆起した山脈と言えよう。外見は違えど、どちらも途方もなく、そして痺れるような熱さを内包している。そしてその熱量こそが面白さの本質である。アニメ作品を観て面白いと感じるのは、心を動かされ昂ぶるからである。つまり作品から熱というエネルギーを受け取ったからである。そう。熱ければ熱いほどアニメは面白い。キャラの外見と、特異性をメインにした「ヒロイン至上主義」のアニメ作品が巷を席巻している今日、アニメ作品の熱量は低下の一途を辿っている。ほんのりと温かく、肌触りの良い微温湯のような熱量しかない作品。それらに触れるのは「心地良いだろう」しかし、果たして「面白い」と呼べるのだろうか?今期のアニメの中で抜群に面白い両作品を観ているとそんな疑問が浮かんでくる。

・・・・・・・・・・という戯れ事でした。
小難しいマンガ評論家が書きそうな文章を考えてみましたが、地頭が悪いため、支離滅裂な文章になってしましました。難しい事を書くのって、本当に難しいよねぇ(意味不明)本当は奇しくも同じ日に放送している「ジョジョ」と「ちはやふる」をからめて、「瑞沢のカルタは世界一イィィイイイイィイ!」みたいなノリで書こうと思っていたのですが、なぜか、こんな前置きになってしまいました。さて、嫌がらせのような長い前置きはこの辺にして、そろそろ本題の「ちはやふる2」について、放送済みの第二首~第八首までの感想でも。

■第二首「こひすてふ」
記念すべき新キャラの筑波くんが登場。しかし、全ては菫が持っていってしまった回。筋の通った恋愛馬鹿である彼女のインパクトが強すぎでした。流石中の人が強化系だけのことはある。

■第三首「つくばねの」
東京都大会開始。菫に存在感で水をあけられた感のある筑波くん。へたれでありながら野心家という、いそうで、いなかったキャラをアピールすべく、奮闘(悪目立ち)します。しかし結局はイケメン・ソウルの机君の引き立て役にしかなりませんでした。「オレもあるから、チャンスもらったことがあるから」と言った後に、筑波くんを励ます机君に惚れました。それにしても千早の振袖が派手だった。あと詩暢ちゃんが電話コードを弄んでる姿が良かった。コードレスが一般的な今日、あの昭和的演出に劣情を抱いたおっさんは多いはず。

■第四首「ひとにはつげよ あまのつりぶね」
今回は太一の、太一による、太一のための回でした。決勝トーナメント準決勝。努力と暗記をあざ笑うかのような、引き札運の悪さで苦戦する太一。努力しても上手く行かない太一は『才能が無いのか?』という疑念に心を囚われます。そんな彼に追い打ちをかけるような空調のトラブルが発生。只一人熱帯地獄に落とされ大ピンチ。プライドが高く、自分の弱いところを隠したがる性質の太一。しかし、今回は熱さと内面に滞留した嫌な想いに耐えきれず、周囲に助け(劇中で初のヘルプ)を求めます。そしてその助けに外野女性陣(人妻、教師、大学生?×2名)がすかさず応じます。太一の頭上に色とりどりのハンカチが降り注ぎます。

しかし、最も早く反応したのは、千早でした!
自分も競技中にも関わらず、太一のヘルプに即座に反応した千早。この時ばかりはマジ萌えました。太一の事を見ていないようで実は見ていた千早に驚く太一。そして同時に、原田先生の言った「団体戦は個人戦、個人戦は団体戦」の意味を悟ります。後半の演出は圧巻の一言。覚醒した太一の周囲が闇に沈み、暗記した文字が浮遊する。そして瞬く間に劣勢を挽回し勝利する太一にマジで痺れました。神回すぎて鼻血でそうになった。

■第五首「なほあまりある むかしなりけり」
北央学園との決勝戦。今回は北央学園の二人が目立っていました。一人は北央学園が誇るソウル・イケメンのひょろくん。「東京で一番強いのは北央学園。なによりオレがそれを見たいんだ!」という台詞が格好よかった。続いて読手として登場した須藤さん。「不思議だけど本当に高いプライドは人を地道にさせる。目線をあげたまま」という北央の先生の言葉ともにすごく魅力的なキャラとして再登場。それにしてもこの言葉はスゴい名言です。成功するための真理みたいなレベルの言葉です。というか今回名言飛び交いまくり。太一の「だっても、でも、も禁止。言い訳に自覚的になるのも悪くない」って言葉も掛け無しの真理。「だって、でも」が常套句のオレにとって耳の痛い言葉ですが、これを自覚していたら、立派な大人になっていたと思うので人生これからの人は覚えておいて損はないと思います。あとは、顧問の宮内の先生が瑞沢高校のメンバーに襷を渡すシーンも良かったですね。宮内先生の想いをしっかり受け止めたメンバー。返礼として、一斉に頭を下げる姿は日本人の情緒に訴えかける感動的なシーンでした。

肝心の試合のシーンも文句なしの出来。瑞沢、北央、双方の選手の心情と思惑をバランス良く描けていたと想います。

■第六首「たつたのかはの にしきなりけり」
早々と肉まん君が敗北。そして千早の第一覚醒開始。やべーすげー面白い。名人、クイーンの二つの武器がすこしずつ形になってきた千早。そして甘粕君を挟んで、須藤さんと、千早の対峙シーンに震えました。「集中しろ甘粕、綾瀬千早は聞こえている確実に・・・自分の声の何で判断されているのか判らない・・・う? オレの声が届いているんじゃない・・・掴まれる!」という須藤さんの独白から、千早の回想シーンにいたる演出が神がかっていた。

そしてそれぞれの戦いも白熱。劣勢な状態から徐々に盛り返す瑞沢高校の面々(肉まんくんのぞく)そして、運命戦に突入。原作よりも分かり易い札分けの説明に制作者側の優しさを感じました。北央学園の頭脳戦略によって不利(というか敗北確定)の状態になるも、あきらめない瑞沢メンバー。敵陣に向かって素振りを開始します。ここからの展開は、またもや神回と断言してよいほどの熱さでした!ふるえるぞハート!燃えつきるほどヒート!そしてその気合いが太一の勝利を呼び込む。運命戦は運命じゃない。運命じゃない!(大事なことなので2回言いました)太一の次ぎは千早の盛り上げてくれます。クライマックスの「甘粕。甘粕気をつけろ、こんな場面でからっぽになれる人間がいる」のシーンは鳥肌もので、原作を凌駕していた。今回も30分があっという間でした。

■第七首「しるもしらぬも あふさかのせき」
愛嬌というのは自分よりも強い者を倒す柔らかい武器。夏目漱石の言葉だそうです。勉強になるなぁ。ちなみにこの武器を使いこなせると、出世できます。さて、白熱した決勝戦も終わり、前回までの張り詰めたテンションから一転、ふんわりとした空気感と、緩い展開で始まりましたが、閑話休題にならないのが、ちはやふるのスゴいところ。今回も見所が多かったです。大江呉服店での母娘のエピソードにホロッときました。そして、吹奏楽のエピソード。「情けは人のためならず」という言葉を本能で理解する千早に素敵な返礼が。ホントこれも良いシーンでした。爽やかに吹き込む音と想い。一通り笑った後の千早の表情にもらい泣き。なんでこのアニメが26時台とかいうふざけた時間帯に放送されているのでしょうか。これは子供の感受性を高める情操教育として相当に良質な題材だと思いますよ。もっと早い時間というか30時台に放送を希望。

■第八首「みかさのやまに いでしつきかも」
全国大会開幕。色物対戦・・・といのは失礼ですね。筑波君の高速携帯操作に流石現代っ子と感心。ソウル・イケメンの机君と恋愛バカからカルタバカに進化しつつある菫は偵察部隊として駆け回り、その他の面々は外国人さんチームと対戦。実力は圧倒的に瑞沢高校が上ですので、演出は主に、外国人を交えた異文化コミニュケーションに費やされ、緊張感はありませんでした。しかし、そんな緩んだ視聴者の心をビビらせたのは最後のシーン。近江神社の石段で、新の背後からの伸びる白い手が。古典的なホラーの演出で、登場したのは我らがクイーン、詩暢さんでございました。

というわけで以上、「ちはやふる2」の感想でした。
書くだけ書ききった感があり、個人的には大満足。推敲はしない。いや、したくない!

ちはやふる Vol.9 第二四首~二五首収録 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: Blu-ray




STAR (初回限定盤CD+DVD)

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2013/03/06
  • メディア: CD


2013-01-12 ついに始まった!アニメ、ちはやふる2 [2次元@ちはやふる]


ついに、ちはやふるの二期目が始まりました。一期目の最終回の感想で次期シーズンに不安を募らせていたオレに向かって時空を越えてコメントを残したい。「ちはやふる2」1月11日から放送開始したぜえええええ!と。いやー、面白かった。というか、本当に放送されて安心したというのが本音。うれしさのあまり三回も見なおしました。というわけで本日は記念すべき第二期の第一首「はなのいろは」の感想&考察でも。

■まず本編のおおざっぱな感想
満を持しての第二期でしたが、特に気負うことなく、ごくごく普通に瑞沢高校かるた部の練習風景からスタートした「ちはやふる」。前期でのダイジェストなどはまったくなく、新規の視聴者よりも前期からの視聴者を大事にしているような構成でした。あいかわらず短い時間ながら色々なエピソードが盛り込まれており、レビュアー泣かせな展開でしたが、それがちはやふるの美点でもあり、全体として「いつもの」ちはやふるという感じでした。つまり安定して面白かったというのが感想です。

■つづいて、オープニングについての感想
主題歌は99RadioServiceの「STAR」。なかなか素敵な曲でした。歌詞に「しのぶれど」というフレーズが含まれていてニヤリ。前期のYOUTHFULにて「ちはやふる」というフレーズを使用していたので、その対として今回はクイーンの得意札をもってきた模様。そんな事を思いつつ、オープニングを目で追っていたところ、ドキリとする演出が。そう。踏切での連続カットのところです。電車が通過した後に横断機が上がり、千早、新、太一が踏み切りを挟んで視線を交差するという連続カット。ほんの一瞬の流れでしたが、それぞれの立場と心情を表しているようで最高でした。


■最後に、新入部員、花野菫とその存在意義についての考察。
スポ根系の部活モノの展開といえば、主人公が同じ学年の仲間が集まる→部を創設→ライバル校の登場→ライバル校に勝利→創設一年目ながら健闘→新たなライバル出現、というのが王道ですよね。ちはやふるもスポ根系ですから、その展開を踏襲していました。アニメ第一期を振り返ってみると、千早と太一が「かるた部」を発起→かなちゃん、肉まん君、メガネ君が仲間になる→瑞沢高校かるた部が正式に創設→ライバル校、北央学園かるた部の登場→団体戦の都大会でそのライバル校を破り、優勝→そして近江神宮での全国大会出場→クイーンの登場と、見事な王道展開でした。

そしてスポ根系における第二期の王道展開といえば、主要キャラが二年生に進級→主要キャラに負けない有能な新入部員が登場というものになります。一度築きあげられ安定し始めていた関係性を良い意味で「リフレッシュ」し、二期目の弾みをつける役目。それが新入部員です。

しかし、そんな新入生部員の加入イベントですが、扱いが難しいのもまた事実です。というのも、スポ根モノには「レギュラー」という制約があるからです。そう。メインイベントである「試合」で「活躍」する人数が決まっているのです。野球やサッカー系の団体競技の場合これが問題になってきます。有能な新入部員が活躍するということは、つまり既存のキャラがレギュラーから外れるということを意味しています。それまでの1年間で既存キャラにどっぷり感情移入していた読者や視聴者にとって、お気に入りのキャラがレギュラーから外れて、埋没してしまうのは耐え難い事です。そのため、有能すぎる新入部員の加入はなにかと扱いが難しいのです。

とはいっても、物語に弾みをつける役目の新入部員が無能では登場させる意味もない。

そんな中、第二期ちはやふるが出した答えは「新入部員キャラ」の最適解とも言えるものでした。かるたの実力者ではなく、ちはやふるに欠けていて要素を補完する存在として、新入部員を登場させたのです。新入部員、花野菫嬢。なんと彼女は素敵な男子と恋愛したいという恋愛偏重キャラでございました。

これまでのちはやふるの構成要素を図にしてみるとこんな感じでした。誰がどの要素を担っているかは別の機会にしますが、図のとおり、全体的にバランスが良いのが分かると思います。高いレベルで安定していますね。いや、安定しているというのは実はあまりよろしくない。物語に弾みをつけると為には歪さが必要です。


そこに新入部員、花野菫が加入。するとどうでしょう。「ラブ」の要素が追加されることにより、バランス面では歪な形になりましたが、全体の数量が飛躍的に増加したではありませんか。こうして見ると、ちはやふるにおて、必要だったのは、有能なかるた部員ではなく、有能のラブ要員だったことが分かります。そしてこれこそが二期の重要なテーマになるのです。なぜかといえば、ここから太一のラブ物語が本格化するからです!


第一首の最後のシーンが象徴的でした。
「真島先輩ってもてるでしょう?」と問う菫。その問いに返答する太一。
「男が選ばれてどうすんだって思う。おれは、選んでがんばるんだ」
選んでがんばるイケメンを観られるのは「ちはやふる2」だけ。今後の展開に期待ですね!(ステマっぽいなぁ)

おまけ:冒頭の写真ですが、千早と肉まん君が「競技かるた」を新入部員に教える際に用いた並びを再現しています。しかし一首だけ違う歌が紛れ込んでいます。暇な方は是非探してみてください。

比較用(放送時)



ちはやふる(9) (Be・Loveコミックス)

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