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2012-09-18 ちはやふる18巻と小説「ちはやふる中学生編」の感想 [2次元@ちはやふる]


ちはやふる(18) (BE LOVE KC)

ちはやふる(18) (BE LOVE KC)

  • 作者: 末次 由紀
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/13
  • メディア: コミック

ここ最近、忙しさにかまけてコミックスの発売日のチェックを怠っていました。そのため、ちはやふるの最新巻がすでに発売中であることを知ったのは我がオタ師匠のブログ経由でした。ちはやふるファンを自称しておきながらコミックスの発売日に買いそびれるとは・・・。自分の迂闊さに呆れつつあわてて書店に駆け込み、ちはやふる18巻と、同時刊行されていた小説版のちはやふる中学生編を購入しました。というわけで、発売からずいぶん時間が経っていますが、上記二冊の感想でも。まずはコミックスの最新刊、ちはやふるの18巻の感想から。

■18巻は「先生」がテーマ
書店で積み上げられているコミックスの表紙を見て驚きました。著者自身が巻末のおまけの4コマで突っ込んでいましたが、今回表紙を飾ったのは「先生」。それも一人ではなく、なんと7人。ちはやふるに関わる「先生」が勢揃いした表紙になっていますw。上から順に紹介すると、富士崎高校の顧問である桜沢先生、千早たちの恩師である原田先生、瑞沢高校かるた部顧問の宮内先生、新が所属する福井南雲会の栗山先生、瑞沢高校の担任の深作先生、肉まんくんの恩師である北野先生、そして北央高校かるた部の顧問、持田先生。正直せっかく「先生」を表紙にするのであれば、キャラの重要度からして原田先生を最も大きく描いてほしかったところですが、そこは一応少女マンガ。神セブンならぬ先生セブンの中でも一番華やかで見栄えの良い、桜沢先生がメインになっていますw

これまでのコミックスの表紙を飾ってきたのは主人公である千早や仲間。あるいはライバルたちの姿でした。それが今回、先生だらけ。とても競技かるたに青春を賭ける「少女」を主人公にした物語には見えません。コミックスの帯に書かれた「一人じゃない、チームなんだ!!」という言葉に「どんなチームだっ!」と突っ込みを入れたくなりました。

しかし、今回の18巻。そんな「先生」がテーマの一つのようです。
これまで千早の夢はクイーンになりたいというただ一点でした。学校の進路志望調査でも迷わず「クイーン」と記入し先生に怒られていました。野球やサッカーのようにプロが存在しない競技かるた。悲しいかな、クイーンの夢がかなっても生活できるわけではありません。かるたの場合、夢の成就と将来の進路は別問題であることに気がついていませんでした。ところが今回、彼女は具体的な将来像を描きはじめます。それは「先生」になって「かるた部の顧問」になること。

『でも私の中にはたくさんの先人の言葉が、受け取ってきた宝物があるので、それを君らにパスするために、受け売りをするために教師になったのですよ』

担任教師である深作先生のこの言葉に感銘を受け先生を志す千早。何の取り柄もないと思っていた自分に日本一に、世界一になる夢を与え、さらには仲間との大切な時間をつなぎ合わせてくれる「かるた」は千早にとってかけがえのない「宝物」です。その大事な「宝物」をまた別の誰かに繋げることができる。それは夢と将来が初めて初めて合致した瞬間でもありました。

競技かるたは上の句を詠み上げ下の句を取る競技。すなわち上の句と下の句をつなぎ合わせる競技とも言えます。ですのでこの「繋げる」というのも本作において重要なキーワードなのかも知れません。1000年前からの想いを、夢を、詩を繋げる。自分だけではなく、後に生まれた人へも繋げる。「先に生まれた者として」つまりは「先生」になって繋げていきたいと思うようになった千早。めっさ成長しています。

それにしても千早のかるたに賭ける情熱はもの凄いですね。
かつて新には敵わないと弱音を吐く太一に『青春の全てを賭けてから言いなさい』と原田先生が諭すシーンがありましたが、千早にいたってはかるたに人生を賭ける覚悟のようです。競技かるたに青春を賭ける「少女」を主人公という物語が「ちはやふる」だと思っていましたが、どうやら間違いのようです。人生をかるたに賭けた千早の物語というのが正解のようです。

ところでかるた馬鹿の千早が将来ちゃんとした先生になれるのでしょうか?
この心配というか、疑問について翠北会の江戸っ子、北野先生が答えています。『師を持たない人間はだれの師にもなれないのだ』。この言葉の裏を返せば『師を持つ人間は誰の師にでもなれる』ということですね。千早の場合は周囲に素敵な師がいます。原田先生はもちろんのこと、宮内先生や深作先生が彼女を支えています。素敵な先生を持つ千早もまたきっと素敵な先生になることでしょう・・・多分。


小説 ちはやふる 中学生編(1) (KCデラックス)

小説 ちはやふる 中学生編(1) (KCデラックス)

  • 作者: 時海 結以
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/13
  • メディア: コミック

さて、お次は小説 ちはやふる 中学生編(1) の感想でも。

■天才と戦う宿命を持つ男、真島太一。
コミックスが売れるとドラマCDが作られたり、アニメ化されたりと多方面に展開するいわゆるメディアミックスが始まります。小説版(ノベライズ)もそのうちの一つですね。作品によっては商業レベルとは思えないしょうもない内容で、ただのファングッズ化している小説版もあります。特に出版社主導で、原作者がほぼノータッチのような小説版は失敗が多いような印象。

で、ちはやふるの小説版はどうかというと、太一好きなら買っておいて損はないでしょうという感じ・・・いや、悪くないんですよ。むしろ良いと思います。巻頭にかるたの用語解説を載せたり、物語の節々で和歌の背景や意味を解説してあったりと読者に和歌について知って貰おうという努力が感じられて好感が持てます。

しかしなんというか、やや物足りない感はあります。原作の持つ空気感、キャラの表情、歌の色合いの表現には格別なものがあります。が、それを文章だけに置き換えると不思議と凡庸な感じになってしまいます。絵柄と文体ってまったく別物ですからね。これはもう仕方ないのかもしれません。

もっとぶっちゃけると、せっかくの中学生編なのに千早の挿絵が少ない事でしょうか。いえ、別にロリだから言っているワケではありません。ゲフン、ゲフン。

さて、小説の内容についてもう少し触れると、今回のお話は原作ではあまり語られる事の無かった太一と千早、それぞのれ中学生時代の話です。構成は大きく二章に分かれており、超進学校での太一の奮闘と、かるた馬鹿による千早暴走記という内容。主人公の千早を差し置いて、太一が第一章になっているところが面白い。

小学生時代の太一はやんちゃで生意気。金持ちのボンボンでイケメンのくせに余裕がなく、姑息で卑怯な手を使ってでも勝つというイヤな子供でした。ところが高校生になって再登場した際は爽やかな好男子に生まれ変わっていました。確かに彼が良キャラであることは小学生時代から千早や新と交流している場面でもその片鱗を見せてはいましたが、それにしても驚くほどの変貌ぶりでした。

その変貌するまでの過程を描いたのが今回の小説版。彼の前に立ちはだかるのはジャンルは違えど「天才」という人種。太一がこれまで築いてきたプライドが「天才」の出現によって破壊されます。しかし、そこで逃げないのが太一のすごいところ。どうすれば「天才」に勝てるかと、苦悩し、これまで以上に努力します。そして行き着いたのが『自分の心、勝ちたいという焦りに勝たなければ、相手にも勝てない』という結論。中学一年生でこんな結論を導き出すなんて半端ないです。そしてその心持ちが爽やかさに転化していったようです。彼は性格までも努力で磨き上げていくタイプなんですね。まあ、高校生になってもたまに地が出てしまいますがw

一方第二章で語られるのが千早。スペックだけなら人気者になりそうですが、かるた馬鹿過ぎて、クラスで孤立しています・・・しかし、流石は千早。全然折れない。というかあまり気にせずに暴走しまくっています。怪我をした陸上部の先輩とかるたで交流するのですが、かるた好きのベクトルが違い過ぎて、全然かみ合っていないw先輩が人格者ではなかったら話が成立しないほどのかるた馬鹿っぷりが笑えます。原田先生が、太一は大人になったが、千早は変わっていないという主旨の言葉を口にしますが同感です。小学生編の千早のまんまでした。空気読め千早。


おまけ:

購入していて紹介していなかったBD「ちはやふる」の最終巻の紹介。
ご覧のようにBOX仕様になっています。収納するのに便利ですね。でも3巻だけ間違ってDVDを購入してしまったのでBOXに入らないw




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コメント 2

まさし

更新心待ちにしておりました。
小説も買ったとは、お手本のようなファンじゃありませんあ。

千早が人生を賭けてかるたに挑んでいるというのは、考えもしなかった。
さすがは慧眼の持ち主でいらっしゃる。

ところで、下から数えた方が早い千早は、先生になれる学力あるんですかね?
by まさし (2012-09-20 21:53) 

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私もちはやふる小説試しに一冊買いました☆面白くて2時間程で一気に読んじゃいましたヾ(*´∀`*)ノ゙まるで漫画を読んでる気分でした。太一すごいな見習おうって思い、千早こんな思いしながらかるた続けてたんだ…って切なくなりました。
因みに「師を持たないものは、誰の師にもなれない」これを正しく言い換えるなら、
「誰かの師になるものは、師を持っている」ということで、必ずしも「師がいれば誰の師にもなれる」にはならないですよと。うぜーこといってすいません。
私もちはやふる大好きです。勉強やる気しない時読むとやる気湧がき出してきます☆
by お名前(必須) (2014-06-24 20:33) 

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