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2013-03-17 ちはやふる20巻。「じゃぁ、いつ名人を倒すの?・・・今でしょ!」 [2次元@ちはやふる]

本日は「ちはやふる」20巻の感想でも。ネタバレ全開のため未読の方はページを閉じてくださいね。
ちはやふる(20) (BE LOVE KC)

ちはやふる(20) (BE LOVE KC)

  • 作者: 末次 由紀
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/03/13
  • メディア: コミック

ついに20巻に到達した「ちはやふる」。今回は要約すると、「千早VS太一の吉野大会編」、「修学旅行編&名人・クィーン戦の東西予選編」(勝手に命名)という二つのお話で構成されていました。というわけで感想も大きく二つに分けてみます。

■まずは「千早VS太一の吉野大会編」の感想から。
前巻の終盤、吉野大会決勝で相まみえた千早と太一。「襷」というアイテムでお互いの「絆」を再確認。そして真剣勝負が開始。変則的な札の並びで千早を翻弄する太一。前クィーンを下し「感じ」の良さと「取り札の洗練さ」に磨きがかかってきた千早。高校生になってから初の公式戦で対決した二人の試合は、かなちゃんにして『今日のこの試合が一番強い二人だと思いませんか』と言わしめるほど白熱した戦いでした。その戦いっぷりは本当に濃密でした。1コマ、1コマのシーンで「うむむ」と唸り、ページをめくっては「おお」と感嘆の声を漏らすといった感じ。良質な小説には行間に読者を引き込む力が宿っていますが、良質なコミックスも同様なんですね。コマ間やページ間に凄ましい引力がありました。

さて、この「千早VS太一の吉野大会編」の見所は一度劣勢に立たされた千早が立ち直る場面にありました。千早の弱点は試合に集中するあまり周囲だけではなく自分自身も見失ってしまうこと。これまでもそんな性質で窮地を招いてきました。しかし、今回はそれに自ら気がついた。千早は目線を上げて、太一をその視界に捉えます。そして内心で呟く。『太一なのに、知らない人みたいだ。でも太一だ。一緒にがんばってきてくれた男の子だ』。敵陣に座っていても自陣として存在する太一。そして一番近くにいる「男子」という事実に気がつく千早。

いやっほーい。太一派である私の解釈は言わずもがな。フラグが立ったー、フラグが立ったよー(ハイジ風)と歓喜しました。

千早の土俵に立つことでようやく千早の瞳に「自陣の男子」として収まった太一。がんばったかいがありましたねぇ。しかし、本当にスゴい男はそれだけで満足しない。「結果は石なんだ。がんばったを留めておく石なんだ」という原田先生の弁があるようにここから勝負どころと勝ちに行きます。選んでがんばっている太一には目に見える形での「結果」がどうしても欲しい。しかし、健闘も虚しく千早に敗れてしまいました。まあ、朴念仁の新が無意識に嫉妬するぐらいの名勝負を繰り広げられただけでも良しとしたい。そして千早を巡る太一と新の戦いが本格化してきたのがたまらない。「千早は別に誰の物でもないよな?」という新の言葉は明らかな宣戦布告でした。

■「修学旅行編&名人・クィーン戦の東西予選編」の感想。
主人公を高校生とした作品なら必ずと言ってよいほど登場する修学旅行イベント。場所は定番の京都です。風光明媚な古の都で「かるた」を離れた千早と太一がどのような一面を見せてくれるのか楽しみにしていました・・・が、そんな期待はあっさりと裏切られました。流石はガチのスポ魂マンガ「ちはやふる」。なんと修学旅行編は完全におまけ扱い。話のメインは太一と新が挑む名人・クィーン戦の東西予選でございました。

吉野大会でようやく千早と同じ土俵に立った太一。しかし「結果」は得られなかった。難関医学部を目指す彼にとってかるたに青春を賭ける時間はそう長くはない。かるたに青春の全てを賭けてこそ「自分自身」を、そして「千早」を得られると考えている太一。彼は修学旅行をサボってまで、名人・クィーン戦の東日本予選に挑みます。一方吉野大会での千早と太一の試合を観てから焦燥感に苛まれている新。「勝つイメージ」を失ったままの彼でしたが、「名人」になるべく西日本予選に参加します。主人公の千早をさし置いて始まった二人の男子の戦い。コミックスを持つ手にも力がこもります。

さて、「ちはやふる」において太一と新が挑む山の頂にいるのは天才周防名人です。超人的な感じの良さを持つ名人。一字決まりは27枚(28枚は間違いらしい)という化け物です。圧倒的な実力が故にライバルは不在。そんな周防名人はテンションを少しでも上げようと西日本予選に顔を出し新の試合を観戦します。綿谷永世名人を彷彿とさせる新の試合。「同世代には敵がいない」と周囲は感嘆の声を漏らします。しかし周防名人のテンションは上がりませんでした。

このあたりが20巻最大のポイントでしょうか。
新の弱点。それは祖父である綿谷名人の想いというか『呪縛』から逃れられないということ。つまりは「後ろ向き」なんですよね。性根では太一より真っ直ぐな新ですが、皮肉にも純粋な心根が故に、かるたに向ける想いは「歪んで」います。かるたに向ける執念が祖父の「借り物」である新。そこに気がつかない限り周防名人から脅威と見なされない。どころか、太一に足元を掬われる可能性もあります。千早や、太一への想いについても「東京でかるたを通じて出来た大切な友達」という過去に引きずられていてなかなか自分の本音に気がつきません。どこまでも「後ろ向き」な新。そこが浮き彫りになった20巻でした。(異論は認める)

太一は自分自身をよく理解した上で戦っています。「自分になるためにがんばっているんです」と菫嬢が言うように「卑怯」で「弱く」て「格好つけ」でなにより「余裕がない」彼ですが、それを認めた上で乗り越えようとしています。三つ子の魂百までということわざがあるように性格はなかなか変えられない。
でも人格は自分の努力次第で変えられる。
強い自分になって千早をゲットする。恋愛もカルタに向ける想いも「前向き」な太一。青春時代の「前向き」な想いは途方もないエネルギーを持っています。名人の天才を凌駕する力があっても不思議ではありません。つまりはこういう事↓


・・・スキャニングしてコミックスの画像を引用できない当ブログの場合、文字だけの味気ない構成になりがち。そんなわけで、いつもながら誰得な感じですが今回は今流行りの「東○ハイスクール」ネタでお茶を濁してみました。それにしても毎度毎度ちはやふるは内容が濃い。感想を書くにもどこに焦点をあてればよいのか悩みます。ここで書けなかった細々とした感想は別の機会(アニメ化)で書きたいなぁ。

オマケ:受験シーズンは終わってしまいましたが、「東○ハイスクール」に引っかけて超難問を出題。

・・・難問つーか、奇問ですね。作成した自分でも答えがわからないや。


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コメント 2

miu!2

やはり良いですよね!ちはやふるは。 私、ちはやふる大好きなので教えてもらえて有難いです!今後の展開どうなるんでしょうか?楽しみです!
by miu!2 (2013-06-11 06:17) 

のぞみつき

21巻が発売されました。20巻がクライマックスかと思いきや、21巻も至極の出来でした。ちはやふるは展開が予想できないところも魅力ですね。
by のぞみつき (2013-06-24 21:21) 

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